大阪で注文住宅を考えるとき、ハウスメーカーや工務店のほかに、建築家(設計事務所)に設計を頼むという選び方があります。ただ、「何から相談すればよいか」「費用はどう違うのか」「どう選べばよいか」が分かりにくい、という声をよく聞きます。
この記事では、大阪府吹田市の設計事務所YYAの建築家が、依頼する前に決めること、事務所を選ぶときに見る点、費用の見方、向く人・向かない人をまとめます。流れ・設計料・土地探しの詳細は、それぞれの記事で説明しているので、ここでは要点とリンクにとどめます。
短く答えると、大阪で建築家と注文住宅を建てるには、まず①土地の状況、②どこまで自分で決めたいか、③予算の総額の3つを整理し、実績が自分の状況に近い建築家に相談します。YYAの住宅の設計料は、工事費(税込)に料率をかけて決め、工事費5000万円以下は15%、5000万円を超えると下がります。構造設計料と、確認申請などの手数料は別です。土地が未定でも、ご相談は無料でできます。

結論:依頼する前に、先に決める3つのこと
建築家に相談する前に、次の3つを整理しておくと、事務所選びも相談も進めやすくなります。すべて決まっていなくても構いません。
- 土地の状況(土地をお持ちか、これから探すか)
- どこまで自分で決めたいか(任せたいのか、自分で決めたいのか)
- 予算の総額(建物だけでなく、土地・外構・諸費用に加え、設計料や申請の手数料なども含めた額)
土地がまだ決まっていない段階でも、相談はできます。土地の選び方は、土地探しは設計事務所に先に相談すべき?で説明しています。
建築家に頼むのが向く人・向かない人
YYAの考えでは、設計事務所に頼むのが向かないのは、施主自身で全部決めたい人、設計者に任せたくない人です。設計事務所は、施主の希望を聞きながら、設計者が提案して形にしていく進め方だからです。
逆に、どういう家にしたいかを、設計者と話しながら整理していきたい方には向いています。施主と設計者が、それぞれ何を判断するかは、事務所によって違います。希望する関わり方は、相談のときに伝えてください。
ハウスメーカーや工務店との違い(費用・流れ・保証)は、設計事務所とハウスメーカー・工務店の違いで整理しています。
大阪で建築家を選ぶときに見る点
事務所を選ぶとき、YYAが見てほしいと考えるのは、実績・実例です。ホームページで、次の点を確かめてください。
- 自分が建てたい家に近い実例があるか
- 実例の写真や説明から、どんな考え方で設計しているかが分かるか
- 土地探しや建て替えなど、自分の状況に近い相談の実績があるか
実績は、見た目の好みだけでなく、自分の状況に近いかどうかで見ると、判断しやすくなります。実績に加えて、相談のときには、予算への対応、業務の範囲と追加の費用、打ち合わせの進め方が分かりやすく説明されるかも、確かめてください。
YYAの実績は、PROJECTで見られます。大阪府内で、記事で紹介できる実績は、建て替えによる新築の住宅「箕面の家」です(後述)。ほかに、大阪府外では、和歌山県で歯科医院併用住宅の森の歯科を、土地選びから設計しました。YYAは、関西を中心に、全国のご依頼にも対応しています。
設計料の見方
建築家に頼むと、工事費とは別に設計料がかかります。YYAでは、設計料は工事費の10〜15%前後(規模や用途で変わります)で、計画ごとに個別にお見積りします。割合をかける工事費は税込で、外構・解体・地盤改良の工事も含みます(家具は含みません)。設計料には、さらに消費税がかかります。
比べるときは、割合だけでなく、何が設計料に含まれ、何が別かを確かめてください。YYAの場合は次のとおりです。
- 含まれるもの: 申請図書の作成と申請の手続き、施工会社の見積もりの比較・査定、設備・照明の設計、省エネ計算・申請、工事監理
- 別にかかるもの: 構造設計料、確認申請などの手数料(書類の作成・手続きの業務は設計料に含まれ、審査機関などに支払う手数料は別です)
例えば、工事費(税込)が3,000万円の場合の設計料は、3,000万円×15%=450万円に消費税10%をかけて、495万円(税込)です。工事費と合わせると約3,495万円で、このほかに土地代、構造設計料、確認申請などの手数料、家具などがかかります。これは仮の計算例で、実際は計画ごとに個別にお見積りします。
料率の表や計算例は、注文住宅の設計料はいくら?で説明しています。事務所によって、含まれる範囲は違います。見積もりを受け取るときは、どこまでが設計料かを、必ず確認してください。
設計料の決め方は、事務所ごとに違います。国土交通省は、建築士事務所が請求できる報酬の基準(業務報酬基準、令和6年国土交通省告示第8号)を定めていて、算定の考え方は業務報酬基準ガイドライン(国土交通省の資料、PDF)で確認できます。
予算に合わなかったとき
「予算内に納まるか」「納まらなかったらどうなるか」は、施主からよく聞かれる質問です。
YYAでは、予算を超えた場合、減額して、予算内に納めるように調整します。減額は、金額が大きい項目から順番に検討します。小さな項目を削っても、効果は小さいからです。一方で、施主が一番大事にしている素材は、削らないようにします。それでも条件を満たせないときは、規模や条件を見直すご相談をします。
施工会社には、複数社に見積もりを依頼し、範囲をそろえて比べます。
大阪の敷地で、実際にあった例:箕面の家
大阪での依頼は、土地をお持ちの方、土地探しからの方など、状況はさまざまです。ここでは、YYAが設計した箕面の家を例に、敷地の条件が設計に関わった点を紹介します。
箕面の家は、大阪府箕面市の、段状に造成された敷地(ひな壇)での、建て替えによる新築の注文住宅です(2024年8月竣工)。土地探しから始めた事例ではありませんが、大阪の敷地での設計の例として紹介します。
- 敷地には擁壁(土の崩れを防ぐための壁)があります。道路側の建物の下はピロティ(柱で建物を支えた、地上階の開けた空間)です
- 従前の家は1階にLDKがあり、道から近く、人通りが気になりました。そこで、LDKを2階にして、道路からの視線に配慮するとともに、梅田の街並みを望む高さにしました

敷地の高低差や擁壁は、費用や間取りに関わります。くわしくは、傾斜地・ひな壇の土地に家を建てるときの注意点で説明しています。
大阪で土地・敷地を見るときに、設計に関わる条件
大阪府内でも、どの条件がかかるかは、市区町村や地域ごとに違います。土地の住所が決まったら、市区町村の窓口やホームページで、用途地域や防火地域などの指定を確認します。設計の面では、次のような条件が、間取りや費用に関わります。
- 傾斜地・ひな壇:擁壁の安全性、がけの近くの規制、造成や基礎の費用に注意が必要です。実例は箕面の家です。→ 傾斜地・ひな壇の土地に家を建てるときの注意点
- 角地:特定行政庁が指定した角地は、建ぺい率の限度が10%加わります。一方で、道路斜線を二方向から受けるため、建物の高さの確認が欠かせません。→ 角地のメリット・デメリット
- 旗竿地:竿の部分が道路に2m以上接していないと、原則として家を建てられません。→ 旗竿地に家を建てるメリット・デメリット
- 防火地域・準防火地域:指定の有無と、建てたい規模でどの性能が必要かで、外壁・軒裏・窓の仕様が変わります。→ 防火地域・準防火地域とは?
- 日影規制・北側斜線:隣地の日当たりを守るための高さの制限で、日影規制の内容は地方公共団体の条例で決まります。→ 日影規制とは?、北側斜線とは?
土地がまだ決まっていないとき
土地を買う前に、擁壁があるか、上下水道などのインフラが通っているか、周りに造成が多いエリアかを、設計者と一緒に確かめると、あとから費用がかかる事態を避けやすくなります。有無だけでなく、状態や、追加の調査が必要かどうかも見ます。くわしくは、土地探しは設計事務所に先に相談すべき?をご覧ください。
YYAでは、候補地の敷地チェック(候補地1件10万円・税抜。土地探しからの家づくりに記載)を行っています。お渡しするのは、建物のボリュームのイメージと簡易プランです。土地の購入の可否を保証するものではありません。設計をご依頼いただければ、設計料に充当します(大阪府外は交通費が別)。
相談から完成までの流れ
YYAの進め方は、次の10ステップです。
- お問い合わせ
- ご相談(事務所またはオンライン)
- 現地調査・条件整理
- 提案(スケッチ・図面・CGなど)
- 基本設計(間取りや建物の基本方針を決める段階)
- 実施設計(工事や見積もりに必要な詳細図面をまとめる段階)
- 見積もり・申請(施工会社の見積もりを比較し、必要な申請)
- 工事契約
- 工事監理(工事が設計図書どおりに行われているかを確認する業務)
- 引き渡し(竣工検査のあと)
依頼から完成までは、住宅で1年〜が目安です。YYAの場合、基本設計の開始から完成までは、基本設計に約2.5か月、実施設計に約2.5か月、確認申請に約2か月、工事に約8か月で、合計は約15か月になります(相談・提案・契約までの期間は含みません。規模や状況で変わります)。くわしくは、設計事務所で注文住宅を建てる流れと期間で説明しています。
よくある質問
土地が決まっていなくても、相談できますか?
できます。土地を買う前に、擁壁があるか、上下水道などのインフラが通っているか、周りに造成が多いエリアかを、設計者と一緒に確かめると、あとから費用がかかる事態を避けやすくなります。YYAでは、候補地の敷地チェック(候補地1件10万円・税抜)も行っていて、設計をご依頼いただければ設計料に充当します(大阪府外は交通費が別)。
設計料はいくらですか?
YYAの住宅では、工事費(税込)に料率をかけて決めます。工事費5000万円以下は15%で、5000万円を超えると下がります。設計料には別に消費税10%がかかります。構造設計料と、確認申請などの手数料は別です。例えば工事費3,000万円なら、設計料は495万円(税込)です。
予算を超えたら、どうなりますか?
予算を超えた場合は、金額が大きい項目から順に減額を検討し、施主が一番大事にしている素材は削らないようにします。それでも条件を満たせないときは、規模や条件を見直すご相談をします。
建築家(設計事務所)に頼むのが向かないのは、どんな人ですか?
YYAの考えでは、施主自身で全部決めたい人や、設計者に任せたくない人です。設計事務所は、施主の希望を聞きながら、設計者が提案して形にしていく進め方だからです。
相談の前に用意するもの
初回の相談で、準備するものは、次のとおりです。
- 敷地や物件の資料(住所、図面など。土地がまだなら、候補地の情報)
- 希望のイメージ(なくても構いません)
最初の相談で、YYAがお聞きするのは、どういう家にしたいかです。うまく言葉にできなくても、写真や、今の家の不満を話してもらえれば、整理しながら進められます。
ご相談は無料で、オンラインでも受けています。土日祝や平日の夜の打ち合わせも可能です。ほかの事務所で相談中の方の、セカンドオピニオンにも対応しています。
まとめ
- 依頼の前に、土地の状況・どこまで自分で決めたいか・予算の総額を整理します
- YYAの考えでは、設計事務所は、施主自身で全部決めたい人、任せたくない人には向きません
- 事務所は、実績・実例を見て、自分の状況に近いかで選びます
- 設計料は、割合と、含まれるもの・別のものを確かめます
- 予算を超えたときは、金額の大きい項目から減額して、予算内に納める調整をします
- 土地が未定でも、相談できます
大阪で注文住宅を検討されている方へ
YYAでは、大阪を拠点に、建築家による注文住宅の設計を行っています。土地をお持ちの方はもちろん、土地探しの段階からのご相談も可能です。ご希望を伺い、実現できる住宅の規模や設計の方向性を、一緒に整理します。
この記事の監修
吉野優輔(一級建築士/株式会社YYA 代表取締役)
2007年近畿大学理工学部建築学科卒業。2009年~2021年株式会社日建設計。2021年に独立(2022年に株式会社YYAに改組)。2024年から近畿大学建築学部の非常勤講師。詳しくは会社概要をご覧ください。
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