注文住宅を設計事務所に頼むときの設計料の決め方の一つに、工事費に料率を掛ける方式があります。YYAの住宅の設計料も、この方式です。料率は工事費5000万円以下で15%で、5000万円を超えると下がり、1億円以下で12.5%です(出典:YYAの設計料率、ご依頼の手引き)。
設計料は、設計と工事監理の費用です。確認申請の手数料や構造設計料などは、設計料とは別にかかります。この記事では、料率表と計算例、含まれるもの・含まれないもの、支払い時期を説明します。

YYAの設計料率(住宅)
YYAでは、住宅の設計料を、工事費に応じた料率で算出しています(出典:YYAの設計料率。ご依頼の手引きも参照してください)。
| 工事費 | 設計料率 |
|---|---|
| 5000万円以下 | 15% |
| 6000万円 | 14.5% |
| 7000万円 | 14% |
| 8000万円 | 13.5% |
| 9000万円 | 13% |
| 1億円 | 12.5% |
※ 住宅の場合の料率です。店舗・医院・改修など、建物の用途や規模、内容によって、料率や算定の方法が変わることがあります。料率は、工事費の全額に掛けます。表にない工事費の場合は、前後の料率の間の料率を採用します。また、風の解析など、特別な検討をご希望の場合は、別に費用がかかります。
設計料の計算式と計算例
設計料は、次の式で計算します(出典:YYAの設計料の算定方法。ご依頼の手引きも参照)。
設計料(税込)= 工事請負金額 × 設計料率 × 1.1(消費税10%)
ここでの工事費(工事請負金額)は、税込の金額です。外構・解体・地盤改良の工事や、施主が別に発注する工事も含めます。家具に関するものは、含めません。土地代や設計料、各種の諸費用を含む総予算とは別のものです。設計料にも消費税がかかるため、最後に1.1を掛けます。
工事費は、設計の契約の時点では確定しません。そのため、ご予算を目安に設計料を算出し、工事請負契約のときに、確定した工事費で差額を精算します。工事請負契約のあとに変更工事があった場合は、増える場合も減る場合も、変更後の工事費で設計料を再計算して精算します。契約が途中で中止になった場合は、そこまでに行った業務の出来高に応じて精算します。
例:工事費の予算が6000万円の住宅(土地代や設計料は含みません)
- 契約時の設計料:6000万円 × 14.5% × 1.1 = 957万円
- 設計を進め、最終の工事請負金額が7000万円になった場合:7000万円 × 14% × 1.1 = 1,078万円
- 差額:1,078万円 − 957万円 = 121万円(工事請負契約のときに精算)
工事費ごとの設計料の目安(消費税10%込)は、次のとおりです。
| 工事費 | 料率 | 設計料の目安 |
|---|---|---|
| 3000万円 | 15% | 495万円 |
| 4000万円 | 15% | 660万円 |
| 5000万円 | 15% | 825万円 |
| 6000万円 | 14.5% | 957万円 |
| 7000万円 | 14% | 1,078万円 |
| 8000万円 | 13.5% | 1,188万円 |
| 9000万円 | 13% | 1,287万円 |
| 1億円 | 12.5% | 1,375万円 |
この金額は、次に説明する「別にかかる費用」を含みません。
設計料に含まれるもの・別にかかるもの
設計料は、図面をつくる設計(基本設計・実施設計)と、工事が図面や仕様書どおりに進んでいるかを現場で確認する工事監理の費用です。YYAでは、工事が始まったあとも、完成まで現場を確認します。施工会社が行う工程や安全の管理とは、役割が異なります。確認申請の申請図書の作成と申請の手続き、施工会社の見積もりの比較・査定、設備・照明の設計、省エネ計算と申請も、設計料に含まれます。
次の費用は、設計料には含まれません。
| 別にかかる費用 | 内容 |
|---|---|
| 確認申請手数料 | 確認検査機関などに支払う審査の手数料です。建物の面積によって変わります(施主の負担です) |
| 各種検査手数料 | 中間検査・完了検査など、必要な検査と、依頼する民間の確認検査機関によって変わります |
| 地盤調査費 | 調査の方法や箇所の数、深さ、敷地の条件によって変わります |
| 測量費 | 必要な場合に、面積や、境界の確定が必要かどうかなどによって変わります |
| 構造設計料 | 建物の構造の種類や規模、形状、必要な計算の内容によって変わります。構造は専門の設計事務所と協働し、その設計料は別になります |
| ランドスケープ設計など | 庭や植栽などの外まわりの設計です。ご要望がある場合に、面積に応じて変わります |
| 風の解析など | 特別な検討をご希望の場合に、内容によって変わります |
なお、カーテンなどの布製品(ファブリック)のデザインを依頼する場合は、デザイン料をカーテン代に含めます。
設計料の支払い時期
設計料は、3回に分けてお支払いいただきます。
| 時期 | 割合 |
|---|---|
| 設計監理の契約時 | 45% |
| 実施設計完了時 | 40% |
| 竣工時 | 15% |
規模の大きい案件では、基本設計の完了時にも加わります。設計から竣工までの流れと期間は、設計事務所で注文住宅を建てる流れと期間で説明しています。
国の基準との関係
国土交通省は、建築士事務所が請求できる報酬の基準を、告示(令和6年国土交通省告示第8号)で示しています(国土交通省:設計、工事監理等に係る業務報酬基準について)。これは報酬の算定方法を示した基準で、設計・工事監理の契約をしようとする当事者には、この基準に準拠した委託代金で契約するよう努める義務があります(建築士法第22条の3の4)。実際の設計料は、業務の内容に応じて、設計事務所と施主の契約で決まります。YYAでは、工事費に応じた料率で算出しています。上の料率表はYYAの料率で、国が定めた料率ではありません。国の基準の考え方は、リノベーションの設計料の記事でも説明しています。
設計料が「高い」かどうかの見方
設計料の金額だけを見ると、高く感じるかもしれません。比べるときは、次の点を見てください。
- 何が含まれているか:設計と工事監理が含まれているか、確認申請や構造設計は別か
- 総額:工事費、設計料、構造設計料、調査・申請・検査の費用などを、同じ範囲・同じ税込の条件にそろえた総額で比べる。設計施工の会社では、設計の費用が工事費に含まれていて、別に表示されないことがあるので、見積もりで何に含まれているかを確認する
- 工事費の見積もりの取り方:YYAでは、施工会社に複数社の見積もりを依頼します。見積もりが予算に納まらないときは、金額の大きいものから順に減額を調整します(減額の考え方)
設計事務所への依頼が向くのは、その土地、その予算に合わせて、建築そのものから考えたい方です。設計者と対話しながら、提案を受けて住まいをつくりたい方に向いています。ご自身で決めたい範囲と、設計者に提案してほしい範囲は、ご相談のときにお聞かせください。
ご相談の前に
ご相談は無料です(出典:ご依頼の手引き)。土地がまだの場合は、土地を買う前に設計者が敷地を確認する有料の敷地チェック(候補地1件ごと、税抜10万円。建物のボリュームイメージと簡易プランをお渡しします。大阪以外の土地は、交通費が別にかかります。設計をご依頼の場合は設計料に充当)もご用意しています(土地探しは設計事務所に先に相談すべき?、YYAの土地探しのご案内)。
ご相談の際は、ご予算(土地代・工事費・設計料・諸費用を含めた総額)、土地の有無、家のおおよその規模を教えてください。予算から逆算して、設計料と工事費の配分を一緒に整理できます。
まとめ
YYAの住宅の設計料は、工事費5000万円以下で15%、5000万円を超えると料率が下がり、1億円以下で12.5%です(出典:YYAの設計料率)。設計料は設計と工事監理の費用で、確認申請手数料や構造設計料などは別にかかります。設計料の金額だけでなく、含まれる範囲と総額で比べると、納得して依頼先を選べます。
この記事の監修
吉野優輔(一級建築士/株式会社YYA 代表取締役)
2007年近畿大学理工学部建築学科卒業。2009年~2021年株式会社日建設計。2021年に独立(2022年に株式会社YYAに改組)。2024年から近畿大学建築学部の非常勤講師。詳しくは会社概要をご覧ください。
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