マンションリノベーションの間取りは、最初に「どこまでプランに自由度があるか」を確認するところから始めます。そのうえで、YYAでは廊下をなくして広さを確保し、収納はできるだけ増やし、採光を考えながら間取りを組み立てます。
この記事では、設計者がマンションの間取りを考える順番と、廊下・回遊動線・水まわり・収納・採光の考え方を説明します。費用の数値は、地域・規模・仕様で変わるため示しません。

最初に確認すること:どこまでプランに自由度があるか
間取りを考える最初の作業は、その住戸で、どこまで間取りを変えられるかを確認することです。
確かめるのは、構造図の耐震壁の位置と、PS(パイプスペース)の位置です。耐震壁は撤去や大きな穴開けができないため、間取りの動かせる範囲を決めます。壁式構造で、間仕切りの自由度が少ない間取りの場合は、希望の間取りが難しいことがあります。ただし、間取りによっては影響が少ないものもあります。確認の方法は中古マンションの内見チェックリスト、できること・できないことの全体はマンションリノベーションでできること・できないことで説明しています。
自由度が分かると、「壁を取り払ってLDKを広げる」「部屋数を変える」といった間取りの方針を、現実的に決められます。
廊下はよくなくす:広さを確保し、無駄な空間をつくらない
YYAでは、マンションの間取りで廊下をなくすことがよくあります。廊下は、部屋と部屋をつなぐだけの空間になりやすく、なくすと、その分の広さをLDKや居室、収納に回せるためです。
考え方は、無駄な空間ができないようにすることです。廊下に限らず、使い道のない余白ができていないかを、間取りの案ごとに確認します。ただし、廊下をなくした分、ドアの位置や、各部屋の出入りのしかたを設計し直す必要があります。
回遊動線をつくる
回遊動線とは、行き止まりがなく、ぐるりと回れる動線のことです。YYAでは、マンションでも回遊動線をつくることがあります。
間取りを組むときに、動線がどう通るかを、耐震壁とPSの位置を前提に検討します。壁を動かせる範囲によって、つくれる回遊動線の形は変わります。
水まわりの位置は、プランによる
キッチン・浴室・トイレ・洗面などの水まわりを、動かすかどうかは、プランによって決まります。
水まわりは、PSの位置と床下の高さが関わります。動かさずに間取りを組む案と、動かして間取りを大きく変える案の両方を比べ、暮らし方と工事の範囲から判断します。
収納はできるだけ増やす
YYAでは、収納はできるだけ増やすようにしています。廊下をなくして生まれた広さは、LDKだけでなく、収納に回すことも考えます。
採光を考える
窓の位置は、マンションでは変えられません(窓は共用部分)。そのため、採光は間取りに影響します。どの部屋に光を入れるか、窓から奥の部屋へ光をどう届けるかを、間取りと一緒に検討します。内見のときに、窓の位置と大きさを測っておくと、設計者に正確に伝えられます。
YYAの経験:4LDKのフルリノベーション
YYAでは、4LDKのマンションのフルリノベーションで、間取りを全部変えた経験があります。非公開の事例のため、写真は載せていません。
ご相談の前に
間取りのご相談では、間取り図、構造図・竣工図(あれば)、管理規約、築年と構造、今の住まいで困っていること、実現したい暮らしを教えてください。内見への同行も承っています(大阪の物件は無料、大阪以外は交通費のみ)。見積もりが予算を超えたときの考え方は、リノベーションの見積もりが予算オーバーしたときで説明しています。
まとめ
マンションリノベーションの間取りは、最初に耐震壁とPSの位置から、どこまで自由度があるかを確認します。そのうえで、廊下をなくして広さを確保し、無駄な空間をつくらず、回遊動線や収納を増やすことを考えます。水まわりを動かすかはプランによって決まり、窓は変えられないため、採光は間取りと一緒に検討します。
この記事の監修
吉野優輔(一級建築士/株式会社YYA 代表取締役)
2007年近畿大学理工学部建築学科卒業。2009年~2021年株式会社日建設計。2021年に独立(2022年に株式会社YYAに改組)。2024年から近畿大学建築学部の非常勤講師。詳しくは会社概要をご覧ください。
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