西神中央の家

建築家との家づくりで失敗しない!予算・設計と施工・変更の注意点|建築家が解説

建築家に家を頼みたいけれど、「失敗しないだろうか」と不安になる方は多いと思います。

この記事では、設計事務所YYAの建築家が、建築家との家づくりでつまずきやすい場面と、その対策を、依頼前・設計中・工事中の段階に分けて整理します。この記事は、後悔の事例を集めたものではなく、YYAの進め方をもとに、依頼前に確認しておきたい点を整理したものです。YYAの運用として確認できることだけを書いています。それぞれの詳しい内容は、別の記事で説明しているので、ここでは要点とリンクにとどめます。

西神中央の家の庭側の外観

結論:つまずきやすい場面は、段階で分かれる

建築家との家づくりでつまずきやすいのは、依頼する前の判断、設計中の予算と打ち合わせ、工事中の変更です。それぞれ、先に知っておくと、防ぎやすくなります。

段階つまずきやすい点対策のポイント
依頼前向き不向きが分からない/費用の範囲が分からない/相談のタイミングが分からない向く人・向かない人、設計料の範囲、相談の時期を先に確かめる
設計中予算に納まらない/決めることが多い金額の大きい項目から調整する/決めることを整理する
工事中変更や追加の費用が出る/現場との関わり方変更の原因を確かめる/職人さんの邪魔にならない形で現場に来る

依頼前

① 向き不向きを確かめる

YYAでは、施主の希望をもとに設計者が提案し、相談して決める進め方です。そのため、施主自身で全部決めたい方、設計者に任せたくない方とは、進め方が合わない場合があります。くわしくは、大阪で建築家と注文住宅を建てるには?で説明しています。

② 設計料に何が含まれるかを確かめる

設計料は、割合だけでなく、何が含まれ、何が別かで比べます。YYAの場合は、設計料は工事費(税込。外構・解体・地盤改良の工事も含みます)の10〜15%前後が目安で、申請書類の作成と手続き、施工会社の見積もりの比較、設備・照明の設計、工事監理などを含みます。構造設計料と、申請先に支払う確認申請などの手数料は別です。くわしくは、注文住宅の設計料はいくら?をご覧ください。

③ 相談の時期と、初回相談の準備

土地を買う前から相談できます。早いほど選べることが多いので、迷ったら早めに連絡してください。相談する時期は設計事務所に依頼するタイミングは?、初回相談の準備は設計事務所への相談で何を準備すればいい?で説明しています。

④ 「間取りだけ」の依頼は、事務所で違う

間取りだけを請けるかどうかは、事務所によって違います。YYAでは、間取りを構造・設備・敷地の条件などと一体で検討する方針のため、間取り図の作成だけ、添削だけの依頼は受けていません。くわしくは、間取りだけ設計事務所に頼める?をご覧ください。

設計中

⑤ 予算に納まらないときは、金額の大きい項目から調整する

「予算内に納まるか」「納まらなかったらどうなるか」は、施主からよく聞かれる質問です。YYAでは、予算は総額でお聞きし、予算に含める範囲を最初に共有します。見積もりが予算を超えた場合は、減額して、予算内に納めるように調整します。減額は、金額が大きい項目から順番に、性能や使い勝手への影響も見ながら検討します。小さな項目を削っても、効果は小さいからです。

一方で、施主が一番大事にしている素材は、削らないようにします。たとえば、無垢の床、特別なタイル、漆喰の壁などです。減額の対象は、仕上げや家具の工事が多く、間取りは、構造や配管に関わるので、安易には変えません。

施工会社には、複数社に見積もりを依頼し、範囲をそろえて比べます。それでも条件を満たせないときは、規模や条件を見直すご相談をします。

⑥ 決めることを整理する

打ち合わせは、多くて2週間に1回、必要なときに適宜行います。施主が決めることは、主にプラン、設計者が提案した材料でよいか、予算です。設備や照明の設計は、設計者が行います。決めきれずに延びやすいものは、人によって違います。決めきれないものがあれば、そのまま設計者に伝えてください。設計者の提案を聞きながら、整理できます。

期間が延びやすいのは、コストが予算に納まらず、減額の調整に時間がかかる場合です。流れと期間は、設計事務所で注文住宅を建てる流れと期間で説明しています。

⑦ 素材は、住む人にも確認してもらう

実際に住む方が、親子などで複数いる場合は、素材を決める際に、関係する方の意向を確認することが大切です。確認が遅れると、変更の費用や工期に影響する場合があります。YYAの箕面の家では、基本的に施主(親)と進めたうえで、現場で、住み継ぐ娘さんにも素材を確認してもらい、施主と娘さんの双方の承諾を得るようにしました。

設計と施工が別になるとき

YYAでは、設計・監理と施工を別の会社が担当します。YYAは、これを、お互いがなあなあにならず、お互いの仕事をきっちり線引きして、仕事を完遂させられることだと考えています。

ただし、設計者と施工会社が長く組み続けると、馴れ合いの関係になるおそれがあります。そこでYYAでは、馴れ合いにならないように、施工会社を変えることがあります。施工会社は、複数社の見積もりを、範囲をそろえて比べて選びます。

設計者が行う工事監理(工事が設計図書のとおりに行われているかを確認する業務)は、設計料に含まれます。くわしい違いは、設計事務所とハウスメーカー・工務店の違いで整理しています。

工事中

⑧ 変更・追加の費用は、原因を確かめる

工事が始まってからの変更や、追加の費用は、原因によって、考え方が変わります。施主の要望なのか、工事に起因するのか、設計者の要望なのかによります。YYAでは、なるべく追加にならないように対応します。

契約したあとの変更工事は、費用が増える場合も減る場合も、再計算して精算します。設計の契約が途中で中止になった場合は、出来高(それまでに終わった分)で精算します。工事の契約は、施工会社との契約の条件によります。変更が必要になったときの進め方は、契約の前に、あわせて確認してください。

⑨ 現場には、来たいときに来てもらってよい

現場は、家づくりを楽しんでもらう場でもあります。来たいときに来ていただいてかまいません。ただし、職人さんの邪魔にならない程度にお願いします。作業中の現場では、安全のため、現場の担当者の案内や指示に従ってください。

失敗を防ぐために、先に確認すること

  • 向き不向き: 自分で全部決めたい人は、設計事務所が向かないことがあります
  • 設計料の範囲: 含まれるものと、別にかかるものを確認します
  • 相談の時期: 早いほど選べることが多いです
  • 予算の調整のしかた: 金額の大きい項目から、大事な素材は残す
  • 施工会社の選び方: 複数社の見積もりを、範囲をそろえて比べます
  • 変更の原因と進め方: 追加の費用が出たときは、原因を確かめます。変更が必要になったときの進め方も、契約前に確認します

ここに書いたのは、YYAの運用として確認できる範囲です。

まとめ

  • 建築家との家づくりでつまずきやすいのは、依頼前の判断、設計中の予算、工事中の変更です
  • 設計料は、割合だけでなく、含まれるものと別のもので比べます
  • 予算に納まらないときは、金額の大きい項目から減額し、施主が一番大事にしている素材は残すようにします
  • 設計と施工が別になることで、お互いの仕事を線引きして完遂できます。馴れ合いにならないよう、施工会社を変えることがあります
  • 工事中の変更は、原因によって考え方が変わります。なるべく追加にならないように対応します
  • 現場には、職人さんの邪魔にならない程度に、来てもらってかまいません

建築家との家づくりを検討されている方へ

YYAでは、大阪を拠点に、建築家による注文住宅の設計を行っています。土地をお持ちの方はもちろん、土地探しの段階からのご相談も可能です。不安なことは、依頼の前に、お気軽にご相談ください。ご相談は無料です(簡易プランの作成は有料です)。

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この記事の監修

吉野優輔(一級建築士/株式会社YYA 代表取締役)
2007年近畿大学理工学部建築学科卒業。2009年~2021年株式会社日建設計。2021年に独立(2022年に株式会社YYAに改組)。2024年から近畿大学建築学部の非常勤講師。詳しくは会社概要をご覧ください。

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