箕面の家

2階リビングのメリット・デメリット|後悔しやすい点と、向いている敷地・暮らし方を実例で解説|建築家が解説

2階リビングとは、リビング・ダイニング・キッチン(LDK)を2階に置き、寝室などの個室を1階にまとめる間取りです。

2階リビングが向いているのは、道路や隣家からの視線が気になる敷地や、1階では日当たり・眺めが得にくい敷地です。一方で、階段の上り下り、買い物の荷物、夏の暑さ、年を重ねたときの暮らしで後悔することもあります。2階リビングにするかどうかは、敷地の条件と、家族がこの先どう暮らすかを合わせて判断するのがおすすめです。

2階のリビングから続くテラス。手すり壁の向こうに街並みが広がる

2階リビングのメリット

  • 視線が気にならない:道路を歩く人や隣家の窓と目線がずれ、カーテンを開けたまま過ごしやすくなります
  • 明るさ・眺めを得やすい:周りの建物の影響を受けにくく、日差しや遠くの景色を取り込めます
  • 天井を高くしやすい:上に部屋がないので、屋根の形に合わせた勾配天井や高窓をつくりやすくなります
  • 防犯面で安心しやすい:家族が長く過ごす部屋や大きな窓が地面から離れます
  • 1階の個室が落ち着く:寝室を1階にまとめると、上下の音や光を分けやすくなります

2階リビングのデメリットと対策

後悔しやすい点理由対策
階段の上り下りが多い玄関・駐車場からLDKまで毎回上る。来客も2階まで案内する階段の勾配を緩やかにし、手すりを付ける。玄関からLDKまでの経路を短くする
買い物の荷物を運ぶのが大変食材や飲み物を2階のキッチンまで運ぶ玄関近くにパントリーや一時置きの場所をつくる
洗濯の動線が長くなる洗濯機・物干し・クローゼットの階が分かれやすい洗面・物干し・収納を同じ階にまとめる
夏に暑い屋根に近く、日射の熱を受けやすい屋根の断熱を高める。庇や軒で日差しを調整する。空気の通り道をつくる
年を重ねたときに不安階段を使えなくなると、LDKに行けなくなる将来、1階で暮らせる部屋と水まわりを確保しておく。手すりの下地を入れておく
庭とのつながりが弱い地面から離れる2階にテラスやバルコニーを設け、外で過ごせる場所をつくる

階段の寸法には法令の最低基準があります(住宅の階段は蹴上げ23cm以下、踏面15cm以上、幅75cm以上。建築基準法施行令 第23条)。毎日使う2階リビングの階段は、最低基準よりゆとりのある寸法にすると上り下りが楽になります。

実例:箕面の家(1階リビングから2階リビングへ)

YYAが設計した箕面の家(大阪府箕面市、2024年竣工)は、ひな壇造成地での建て替えです。

建て替える前の家は1階がリビングでしたが、道から近く、人通りが気になってブラインドを閉めて過ごしていました。新しい家ではLDKを2階に移し、梅田の街並みを望める高さにしています。2階からは景色が見え、どこからも見られることがないので、ストレスのない暮らしができるようになりました。

南側は木製の片引きサッシで全開放でき、LDKとテラスがひと続きになります。1階は階高を上げてロフト収納を設け、2階との上下は大きな階段室でつないでいます。

箕面の家の2階LDK。キッチンの先に、サッシを開け放ったテラスがつながる
箕面の家の2階。大きな木製サッシを開けると室内とテラスがひと続きになる
箕面の家の階段。上の階から光が落ちる

2階リビングが向いている敷地・暮らし方

向いている理由
道路や隣家との距離が近い1階では視線が気になり、カーテンを閉めがちになる
周りに建物が多く、1階に日が入りにくい2階の方が明るさを確保しやすい
高台・ひな壇の土地で眺めがよい2階からの眺めを暮らしに取り込める
敷地が狭く、庭を広くとれない2階のテラスを外の居場所にできる
慎重に考えたい理由
小さな子どもが庭で遊ぶことが多い1階の庭と離れ、目が届きにくい
将来、階段の上り下りが難しくなりそう1階だけで暮らせる計画が必要
来客が多い・高齢の家族が訪ねてくる毎回2階まで上ってもらう

傾斜地やひな壇の土地での家づくりは傾斜地・ひな壇の土地の記事、天井の高さの考え方は天井高の記事、屋根の形と高さの制限は屋根の形の記事でも説明しています。

ご相談の前に

2階リビングが合うかどうかは、敷地のまわりの状況(道路・隣家・眺め・日当たり)と、家族の暮らし方で決まります。ご相談の際は、敷地の場所と周りの写真(道路側・隣家側)、今の住まいで困っていること(視線・暗さ・寒さなど)、家族構成と将来の暮らし方のイメージを教えてください。

まとめ

2階リビングは、視線を避けて明るさや眺めを得やすい間取りです。階段の上り下り、荷物の運搬、夏の暑さ、将来の暮らしで後悔しやすいので、階段の寸法・収納の位置・断熱・1階で暮らせる部屋を一緒に計画しましょう。人通りが気になる敷地や、眺めのよい敷地では、2階リビングにすることで暮らし方が大きく変わります。

この記事の監修

吉野優輔(一級建築士/株式会社YYA 代表取締役)
2007年近畿大学理工学部建築学科卒業。2009年~2021年株式会社日建設計。2021年に独立(2022年に株式会社YYAに改組)。2024年から近畿大学建築学部の非常勤講師。詳しくは会社概要をご覧ください。

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