注文住宅を設計事務所に頼むとき、「いつ連絡すればよいのか」は、多くの方が迷う点です。「まだ土地が決まっていないのに相談してよいのか」「土地を買ってしまってからでは遅いのか」と考える方もいます。
結論から言うと、設計事務所への相談は、土地を買う前でもできます。そして、どの段階でも相談はできます。ただ、段階が早いほど選べることが多く、進むほど変えにくいことが増えます。
この記事では、相談する時期を5つの状況に分けて、それぞれの状況でできること・難しくなることを、建築家の立場で整理します。確認する中身や流れの詳細は、別の記事で説明しているので、ここでは段階ごとの判断に絞ります。

結論:早いほど選べることが多い。ただし、どの段階でも相談はできる
YYAでは、土地を探す前の段階から、土地を買ったあと、ほかの設計事務所で進めていた計画の途中まで、相談を受けています。相談だけで終わる場合もあります。ご相談は無料です。
早い段階で相談する意味は、土地や建物の大きさを選べる幅が広いことにあります。反対に、土地を買ったあとは、土地を選び直しにくくなり、建物の大きさや配置には、その土地の条件に応じた制約が生じます。そのため、相談の時期は、早いに越したことはありません。ただし、「ここまで進むと遅い」という線は、YYAでは特に設けていません。
相談する時期 5つの状況の早見表
| 状況 | 設計事務所に頼めること | 難しくなること(一般的に) | 用意するもの |
|---|---|---|---|
| ① 土地を探す前・探している途中 | 要望・予算・エリアの整理、土地探しからの相談 | 特になし | 希望のイメージ(なくても可) |
| ② 候補地が出たとき | 敷地チェック(建物の大きさの目安と簡易プラン) | 買う前の確認が済んでいないと、あとから費用がかかる場合がある | 候補地の情報 |
| ③ 購入の申込・契約の前 | 購入の判断材料の確認(期限を伺い、できるだけ最優先で対応) | 期限が近いと、確認の時間が限られる | 候補地の資料 |
| ④ 土地を買ったあと | 土地の条件に合わせた設計 | 土地の形・法規で、建てられる大きさが決まっている | 土地の資料・登記・測量図など |
| ⑤ 他社と話を進めている場合(①〜④のどの時点でも) | 途中からの相談、セカンドオピニオン | 進んだ内容によっては、見直しや、費用・期間の増加が生じる場合がある | 今までの図面・見積書 |
「難しくなること」は、一般的な傾向です。個別の状況で変わります。①〜④は時系列で、⑤は、どの時点でも起こりうる別の状況です。
相談の費用の流れは、次のとおりです。初回のご相談は無料、候補地の敷地チェックは有料(候補地1件10万円・税抜)、そのあと設計をご依頼いただく場合は、敷地チェックの費用を設計料に充当します。
① 土地を探す前・探している途中
土地探しの段階から、設計事務所に相談できます。YYAでは、不動産会社の建築家不動産と協同して、土地探しを進めます。まず施主の要望(たとえば「駅から徒歩10分以内」)、予算、エリアを聞き、条件に合う土地を、建築家不動産が紹介します。そして、建築家不動産の担当者、設計者の吉野、施主の3者で土地を見に行きます。
土地選びから関わった例が、和歌山県田辺市の歯科医院併用住宅森の歯科です。この段階では、土地の条件と建物の計画を、同時に考えられます。
くわしい進め方と確認する点は、土地探しは設計事務所に先に相談すべき?で説明しています。
② 候補地が出たとき
候補地が出たら、買う前に、建てられる大きさを確かめる段階です。YYAでは、候補地の敷地チェック(候補地1件10万円・税抜。税込では11万円。土地探しからの家づくりに記載)を行っています。お渡しするのは、建物のおおよその大きさ(広さや高さ)を示すイメージと、簡易プランです。設計をご依頼いただければ、設計料に充当します(大阪府外は交通費が別)。結果は購入を判断する材料の一つで、土地の購入の可否を保証するものではありません。
自分で見つけた土地の場合は、建築家不動産の担当者と設計者の吉野が、それぞれ確認します。確認する点は、土地探しは設計事務所に先に相談すべき?に書いています。
③ 購入の申込・契約の前
購入の申込や契約には、期限があることが多い段階です。YYAでは、期限を伺い、できるだけ最優先で対応します。ただし、期限によっては十分な確認ができない場合があります。早めに連絡をいただくほど、確認の時間をとれます。
売り主が施工会社を指定している「建築条件付き」の土地は、土地の売買契約の前に、指定されている施工会社、契約上の期限、外部の設計事務所に頼めるかどうかを、売り主などに確かめてください。条件を変更できるかどうかは、個別の確認が必要です。考え方は、土地探しは設計事務所に先に相談すべき?で触れています。
④ 土地を買ったあと
土地を買ったあとでも、設計は依頼できます。この段階の設計は、すでに決まった土地の条件に合わせて進めます。土地の形、高低差、道路との関係、法規によって、建物の大きさや配置に制約が生じるためです。その範囲で、設計を検討します。
希望の広さが入らない場合は、設計での工夫で調整するか、規模を見直す必要が出ます。ここでは、「土地を買ったあとに難しかった例」を挙げられるほどの経験はありません。一般的な傾向として、土地を選ぶ段階より、選べることが少ないとお考えください。
⑤ 他社と話を進めたあと
ほかの会社と話を進めている場合でも、相談できます。YYAには、ほかの設計事務所から移ってこられたご依頼があります。途中からの依頼は可能です。
ほかの会社の提案が適切かどうか、意見を聞きたいというセカンドオピニオンにも対応しています。今までの図面や見積書があれば、相談のときに見せてください。正式な依頼の可否や進め方は、現在の契約や、図面の利用条件、進み具合を確認して判断します。再設計になる場合は、費用や期間が増えることがあります。
住宅ローンの事前審査との関係
土地や建物の資金計画では、住宅ローンの事前審査が関わります。事前審査で必要な書類は、金融機関によって違うので、利用する金融機関に確認してください。図面や、工務店などの工事見積書を求められる場合があります。YYAでは、事前審査に必要な図面を提供します。
土地を買う前に、建物の費用の見通しが立っていると、予算オーバーを避けやすくなります。設計料の見方は、注文住宅の設計料はいくら?で説明しています。
いつ頃から相談を始めるか
住みたい時期がある場合は、住みたい時期から、設計と工事の期間を逆算して、相談を始めます。YYAの場合、基本設計の開始から完成までは約15か月が目安です。これは初回相談からの期間ではなく、土地探しや購入までの期間は含みません(規模や状況で変わります)。流れと期間は、設計事務所で注文住宅を建てる流れと期間で説明しています。
相談の前に用意するもの
初回の相談では、次のものがあると進めやすくなります。どれも、なくても相談できます。
- 敷地や物件の資料(住所、図面など。土地がまだなら、候補地の情報)
- 希望のイメージ
ご相談は無料で、オンラインでも受けています。土日祝や平日の夜の打ち合わせも可能です。依頼するかどうか決めていない、相談だけのご利用もできます。
まとめ
- 設計事務所への相談は、土地を買う前からできます
- 早いほど選べることが多く、土地を買ったあとは、建てられる大きさがほぼ決まります
- 候補地が出たら、買う前に、建てられる大きさを確かめます
- 購入の期限があるときは、早めに連絡してください。YYAは、期限を伺い、できるだけ最優先で対応します
- 他社と話を進めている場合でも、途中から相談できます
- 住宅ローンの事前審査の書類は、金融機関に確認してください。YYAは、事前審査に必要な図面を提供します
予算とタイミングに迷っている方へ
YYAでは、大阪を拠点に、建築家による注文住宅の設計を行っています。土地をお持ちの方はもちろん、土地探しの段階からのご相談も可能です。どの段階でも、状況を伺い、進め方を一緒に整理します。
この記事の監修
吉野優輔(一級建築士/株式会社YYA 代表取締役)
2007年近畿大学理工学部建築学科卒業。2009年~2021年株式会社日建設計。2021年に独立(2022年に株式会社YYAに改組)。2024年から近畿大学建築学部の非常勤講師。詳しくは会社概要をご覧ください。
関連記事
下記のバナーからYYAの公式LINEを友だち追加していただくと、依頼のタイミングについてのご相談をLINEでお気軽にお寄せいただけます。

