箕面の家

おしゃれな家とは?好み・素材・窓・照明・収納で考える|建築家が解説

「おしゃれな家」は、漠然としたセンスだけに頼らず、何を決めるかで考えられます。YYAでは、施主の好みを聞くこと、素材を三つまでを目安に絞ること、窓と敷地の周囲との関係を考えること、目立たない照明を選ぶこと、収納を隠して確保することの5つを大切にしています。

「おしゃれ」の意味は、人によって違います。写真の家を真似ても、敷地や暮らしが違えば、同じ印象にはなりません。この記事では、YYAの設計の考え方を、箕面の家と西神中央の家の例で説明します。

箕面の家の外観

「おしゃれ」は、まず好みを聞くことから始まる

おしゃれの定義は、人それぞれです。シャープな家をおしゃれと感じる人もいれば、素朴で落ち着いた家をおしゃれと感じる人もいます。

そのため、YYAでは、まず施主の好みを聞きます。好きな家の写真、避けたい印象、暮らし方をうかがい、そこから素材や窓、照明の方向を決めていきます。

実例の写真は、好みを伝えるための材料として、とても役に立ちます。写真は、形だけでなく、素材感や窓の配置、光の入り方など、好きだと感じた点を伝える材料になります。ただし、その写真は、その敷地、その予算、その暮らしの中でつくられた答えなので、同じ印象になるとは限りません。

素材は、三つまでを目安に絞る

YYAの設計では、素材は三つまでを目安にしています。外壁、床、壁、天井、建具など、目に入る素材の種類が増えるほど、視界がにぎやかになり、一つひとつの素材の良さが伝わりにくくなります。

素材を絞ると、残した素材の質感が際立ちます。たとえば、西神中央の家は、築30年の住宅のリノベーションです。ここでは、緑がかった十和田石を、内装の主な素材として使っています。外壁は、既存の薄いグリーンの仕上げを活かしました。

西神中央の家の石の壁と間接照明

外壁の色と素材の選び方は、外壁の記事で詳しく説明しています。外壁を決めるときは、街並み、周辺の色、光、予算を全部見ます。

窓は、敷地の周囲との関係で決める

窓などの開口(窓や出入口などの開口部)は、大きさや位置を、敷地の周囲との関係で決めます。景色が良い方向には開き、視線が気になる方向は抑える、という考え方です。窓は、景色や視線のほかに、日当たりや風通しにも関わります。

箕面の家は、ひな壇(段状に造成された敷地)での建て替えです。以前の家は、1階に居間・食堂・台所(LDK)があり、人通りが気になって、いつもブラインドを閉めていました。そこで、LDKを2階にして、梅田の街並みを望む高さにしました。南側は、木製の片引きサッシで全開放でき、テラスと一体で使えます。

箕面の家の2階のLDKとテラス

窓の種類は、高窓の記事や地窓の記事で説明しています。

照明は、まぶしさを抑えて、目立たないものを選ぶ

照明は、基本的にグレアレス(まぶしさを抑えたもの)で、目立たないものを採用します。照明器具が主張しないと、素材や光そのものが見えるようになります。器具の存在感やまぶしさを抑えながら、調理や読書など、その場所に必要な明るさは確保します。

西神中央の家では、石の壁に、間接照明を組み合わせています。間接照明は、光源を隠し、壁や天井などに光を反射させて照らす方法です。

梁や天井を見せるときの照明の考え方は、梁を見せる天井の記事でも説明しています。

収納は、隠して確保する

収納は、基本的に隠す収納が多くなります。生活用品を隠すことで、素材や窓、光でつくった雰囲気を保ちやすくなります。飾りたい物は、見せる場所を別に設けます。

箕面の家・西神中央の家でも、おしゃれに見せるために意識したのは、収納を確保することです。たとえば、箕面の家では、1階の階高(床から上の階の床までの高さ)を上げて、ロフト収納をつくりました。ロフト収納を採用できるかは、建物の高さや収納部分の寸法、適用される規定を確認して判断します。

収納が足りないと、物が外に出て、おしゃれな状態を保ちにくくなります。持ち物の大きさ、使う頻度、使う場所を整理して、出し入れしやすい収納の量と場所を、最初に確かめてください。

設計事務所に伝えるとよいこと

おしゃれな家を相談するときは、次のことを伝えると、話が進めやすくなります。

  • 好きな家の写真(5〜10枚)と、避けたい印象
  • 敷地の住所と、周囲の状況(視線、景色、隣の建物)
  • 家族の暮らし方と、持ち物の量
  • 予算の考え方(希望額と上限額、土地代を含むか、設計料・外構・諸費用を含む総額か)

設計事務所・ハウスメーカー・工務店のどれに頼むか

素材や窓、照明をどこまで個別に検討できるかは、依頼先や商品、契約内容によって異なります。設計の自由度、標準仕様、変更したときの費用、提案事例を確認して選んでください。それぞれの違いは、設計事務所とハウスメーカーの記事で説明しています。

おしゃれな家の相談

おしゃれな家は、見た目だけでなく、好み、素材、窓、照明、収納を並べて決めます。YYAでは、好きな写真をもとに、敷地や予算に合う方向を整理します。

相談のときは、好きな家の写真、敷地の住所、家族の暮らし方、予算の考え方を教えていただくと、話が進めやすくなります。

まとめ

  • 「おしゃれ」の定義は人それぞれなので、まず施主の好みを聞きます
  • 素材は三つまでを目安に絞ります
  • 窓などの開口は、敷地の周囲との関係で決めます
  • 照明は、グレアレスで、目立たないものを選びます
  • 収納は、基本的に隠して確保します

この記事の監修

吉野優輔(一級建築士/株式会社YYA 代表取締役)
2007年近畿大学理工学部建築学科卒業。2009年~2021年株式会社日建設計。2021年に独立(2022年に株式会社YYAに改組)。2024年から近畿大学建築学部の非常勤講師。詳しくは会社概要をご覧ください。

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