「親の家を直して住みたい。でも、ツーバイフォーだから壁は抜けないと言われた」。実家のリノベーションでよくある悩みです。
ツーバイフォー(木造枠組壁工法)は壁で建物を支えるため、確かに間取りの変更には制約があります。ただし、構造を計算したうえで柱や梁を加えれば、大きな空間をつくれる場合もあります。この記事では、YYAが神戸市西区で手がけた「西神中央の家」を例に、築30年前後の戸建てを住み継ぐときのポイントを解説します。

西神中央の家とは

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 神戸市西区(西神中央のニュータウン) |
| 既存の建物 | 1993年竣工、木造枠組壁工法 |
| 延床面積 | 119.53㎡ |
| 工事期間 | 2023年2月末〜9月末(約7か月) |
| 構造設計 | エムツー設計 |
| 施工 | 匠建築工房 |
施主が幼少期から大学生まで過ごした実家です。お父様が亡くなってから長く空き家になっていました。ご依頼は、「小部屋の多い間取りを大きなワンルームにしたい」「外まわりよりも内部を改修してほしい」というものでした。
築30年前後の戸建てで確認したいこと
傷みやすい箇所
- 屋根・外壁・バルコニーの防水
- 給水・排水管の老朽化
- シロアリや雨漏りによる土台・構造材の傷み
これらは解体して初めて分かることもあります。予算には予備費を見ておくと安心です。
耐震基準:1993年築は「新耐震」、ただし2000年基準より前
「築30年は旧耐震」と書かれた記事もありますが、正確ではありません。新耐震基準は1981年6月からなので、1993年築は新耐震です。ただし、木造住宅は2000年にも基準が改正され、地盤に応じた基礎、接合金物、耐力壁の配置バランスが規定されました。1981〜2000年の建物は、この間の「グレーゾーン」と呼ばれることがあります。
間取りを大きく変えるなら、耐震性も一緒に確認するのが合理的です。自治体によっては耐震診断や改修の補助がありますが、対象の工法や築年が決まっているので、先に窓口で確認してください。
ツーバイフォーの間取り変更はどこまでできるか

ツーバイフォーは、壁と床の「面」で建物を支える構造です。壁の一部は建物を支える「耐力壁」なので、自由には抜けません。
- 耐力壁の位置を特定する:既存の図面と、小屋裏・床下の調査で確認します。
- 抜きたい壁と、残す壁を決める:建物全体の壁の量とバランスを計算します。
- 抜いた分を補う:柱や梁を加えたり、別の場所の壁を補強したりします。
この判断には構造の計算が欠かせません。西神中央の家では、構造設計者と一緒に検討し、新しい柱と梁を入れて、小部屋に分かれていた1階を大きなワンルームのLDKにしました。新しい柱と梁はそのまま空間の一部として見せています。
費用と期間の目安

戸建てのフルリノベーションは、一般に1,000万〜2,500万円以上が目安とされています(CREX)。屋根・外壁、耐震・断熱をどこまで含めるかで、金額は大きく変わります。
西神中央の家は、内部の改修を中心に、10㎡以下の増築を行いました(外まわりは、増築に伴う外壁の一部撤去と屋根のかけ直し)。工事期間は約7か月です。どこまでを今回の工事に含めるか、改修の範囲を決めることが予算を整えるうえで大切です。
2026年に使える補助金(2026年10月13日時点)
- みらいエコ住宅2026(リフォーム):窓などの開口部と、壁・床・天井などの断熱改修が対象です。上限は住宅の建築時期と改修後の性能で変わります(公式)。
- 先進的窓リノベ2026:高断熱窓への交換で、上限1戸あたり100万円です(公式)。
どちらも予算の上限に達すると受付が終わります。また申請は登録した施工者が行うので、設計の段階から対象工事を組み込んでおきましょう。
親の家を改修する前に:名義の確認
親名義の家を子どもがお金を出して改修すると、贈与とみなされる場合があります。相続や名義変更、住宅ローンの使い方は、工事の契約前に税理士や金融機関に相談しておきましょう。
素材で家族の記憶をつなぐ

初めて現地を訪れたとき、薄いグリーンの外壁が印象的でした。施主に尋ねると、「亡くなった父が選んだ色なんです」とのことでした。また奥様は沖縄の出身です。
そこで、外壁の緑と沖縄の海をつなぐ素材として、緑がかった「十和田石」を内装の主な素材に選びました。十和田石は浴室で使われることの多い石です。壁は小さな石(40×300mm、55×240mm)、床は大きな石(900×300mm)を使い、床はそのままテラスへと続いています。既存の外壁と同じ仕上げを室内の天井や壁にも使い、内と外をつなげることで、実際の面積以上の広がりを感じられる空間にしています。
よくある質問

Q. ツーバイフォーでも壁を抜いて広いLDKにできますか?
A. 建物によります。耐力壁の位置と量を調べ、構造を計算したうえで、柱や梁で補えるかを判断します。
Q. 屋根や外壁も一緒に直すべきですか?
A. 傷みの状態と予算で決めます。雨漏りなどがなければ、内部を先に改修し、外まわりを後に回す方法もあります。
Q. 神戸市や大阪以外でも相談できますか?
A. 大阪府吹田市の一級建築士事務所です。大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山など関西を中心に、全国のご依頼に対応しています。初回相談は無料です。
まとめ
築30年のツーバイフォーでも、構造を計算したうえで柱や梁を加えれば、大きなLDKをつくれる場合があります。実家のリノベーションは、家族の記憶を残しながら今の暮らしに合わせる仕事です。YYAでは、大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山など関西を中心に、初回相談を無料で受け付けています。
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参考:YYA 西神中央の家・architecturephoto 西神中央の家・日本ツーバイフォー建築協会 リフォーム事例・みらいエコ住宅2026(リフォーム)・先進的窓リノベ2026・CREX 戸建てリノベ費用
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